ステンシルってそもそも何なの?とよく聞かれます。
私がステンシルをやり始めてから約7年。
イベントなどで出店しているときにどうやって描いているの?とよく聞かれます。
紙をカッターで切り抜いて、型紙を作成し、そこにスプレーして描いている。と説明しますが、伝わっている人は半分くらい。。たぶん。
型紙を実際に見せると理解していただくことが多いですが、口頭のみではうまく伝わっていない場合が多いです。たぶん。
そこで今回はステンシルとは??という内容でまとめたいと思います。
ステンシルとは・・?
大辞林には以下のように記載があります。
ステンシル [2] 【stencil】
謄写印刷・捺染(なつせん)印刷などで用いる一種の型紙。
文字や模様の部分を切り抜き,インクが通過するようにしたもの 三省堂 大辞林より
らしいです。
あまりピンとこないですね。
まとめると、冒頭でも書いたように、型紙を使用して、文字や絵を描く技法です。
そう、型紙ありきのアートです。
以下の動画は私が型紙を使用し、キャンバスにスプレーで描いたステンシルアートです。
3枚の型紙を作成し、1レイヤーごとにスプレーしています。
最後は筆で一部調整しています。
これは映画パルプフィクションのユマサーマンです。
早送りなので、かなり一瞬で簡単そうに見えるかもしれませんが、型紙の元となるデザイン作成~切り抜きなど、結構な時間が掛かっています。
3レイヤー(3色)なので大体3〜4時間ほど。
型紙をキャンバスに置いてから、錘になるナットを置いています。
これがないとキャンバスと型紙の間に隙間が出来てしまい、スプレーが滲んでしまいます。
逆にその滲みがステンシルの良いところだったりもするんですが、私は極力隙間を埋めるようにナットを多めに置いています。
色は3色に分けています。
最初は薄くグレーで着色し、2回目は濃いめのグレー、そしてブラックです。
最後に型紙の繋ぎ目の箇所を筆で調整し、完成です。
ステンシルでの制作方法については、別記事でまとめていますので良かったらどうぞ↓
ステンシルはいつ誕生したのか。
では、いつからこのような技法が生まれたのか。
シルクスクリーンとも密接に関連しているのですが、もっとも古いのは旧石器時代・・!
フランスのぺシュメルルの洞窟壁画のようです。
日本では諸説ありますが、
- 奈良時代に孫七という人がはじめたという伝説や、
- 子安観音の和尚が、虫食いの葉を見て型紙を思いついたという伝説
- 平安時代には、型売り業者がいたといわれていたり、応仁の乱の時に京都から逃れてきた型彫り職人が型彫りの技術を伝えたという説
いくつもの伝説や言い伝えがありますが、特定できる説はなく解明されていません。
また、ステンシルと関係性が深いシルクスクリーンですが、シルクスクリーンは100年以上の歴史があります。
起源はアメリカではなく日本。
古くから使用されてきた捺染(なせん)型紙(江戸小紋や伊勢型紙、紅型など、型紙を用いての染色)が元になっています。
その細かな型紙が破れないように、上に絹布を貼付けたことが『ジャパニーズ・ステンシル』として世界中に広まり、ヒントを得た国々でシルクスクリーンの技術は発展していきました。
ステンシルはどうやって作るのか。
ステンシルの基本となる型紙をどうやって作るのか。
カッティングマシーンやステンシル用の機械があります。
カッターを使用し手で切り抜く方法が一般的かもしれません。
軍モノ、アーミー系が好きな人はステンシルシートを使って、小物などにスプレーしているのをよく見かけます。
空き缶とかにステンシルフォントで、文字が書かれているものが一般的なステンシルではないでしょうか。
よく雑貨屋とかで見かけます↓
ステンシルの文字を作成するこういう機械もあります。
英数字を切り抜くことができるのですが、30万円以上します。。
カッティングマシーンだと比較的、入手しやすい金額です。(3万円~)
私もカッティングマシーンの購入を検討した時期もありましたが、A4サイズまでとサイズに縛りがあるのと、カッティングマシーンを使ってしまうとハンドメイドでは無い気がするので・・すべて手で切り抜いてます。
カットする際は、絵柄の繋ぎ目部分が切れないように、繋ぎ合わせてカッティングしていく必要があるため、ある程度完成形を意識しながら作業に取り掛かります。
大き目のカッティングマットがあるとカットしやすいです。
カッターはデザインナイフが望ましいです。
100円均一でも売っています。(ただ100円均一のものは切れ味悪いです)
OLFAのカッターが使いやすく、替え刃も安価なのでおすすめです。
切れ味が悪くなれば、すぐに刃を交換します。
別記事でステンシルアートの制作についてまとめています↓
ステンシルについてざっくりまとめると、、
紙とカッター、スプレーがあれば誰でもかっこいい絵が描ける。
です・・!
スプレーでなくても絵の具とかでも出来ます。
一般的にはスプレーよりも、布などに絵の具を染み込ませ、ステンシルの上からトントンと叩いて絵を描いていく方法が主流かもしれません。
ただスプレーの方が、インクが噴射している感じや、汚れが付いて良い感じに仕上がると思います。
で、色々書いてきましたが、私自身ステンシルはあまりクリエイティブなアートではないと思っています。
型紙があれば量産制作が可能ですし、時間とカットする根性があれば誰でもできるアートです。
以下の記事に私がステンシルを始めた経緯とかをまとめていますので良かったらどうぞ。
では今日はこの辺で。